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【ネタバレ注意】東野圭吾さんの「赤い指」が面白すぎて展開が読めない

読書レビュー
この記事は約5分で読めます。

こんにちは。

過去に数々の小説レビューを書かせていただきました。

今回では掲題通りなのですが、東野圭吾さんの「赤い指」を読了したのでレビューをさせていただきます。

まず結論からで申し訳ないですが、終始ハラハラドキドキで「白夜行」を上回る勢いでした。

簡単にあらすじをご紹介をさせて頂きますとこの通り。

前原昭夫は、妻と一人息子、そして母親と一緒に暮らしているごく普通の家庭を持っているサラリーマン。しかし、妻・八重子は義母を疎み夫をなじり続け、息子の直巳は親和性に欠ける。そして母・政恵は認知症となってしまい、それぞれから問題を与える「家庭」は昭夫にとって安らぎを与えてくれる場所とは言い難い存在になっていた。

そんな家族の元に少しでも戻りたくないとオフィスにいた昭夫は、八重子から「早く帰って来て欲しい」と電話が入る。切迫した様子を訝しみ、家路に急いだ昭夫は、自宅の庭でビニール袋を掛けられた幼女の遺体を目撃してしまう。全ては直巳が少女を自宅に連れ、身勝手な理由により殺害したものだった。

一時は警察に通報しようとした昭夫だが、八重子に強く懇願され、やむなく息子のために事件の隠蔽を画策する。遺体を自宅から遠ざけるため、深夜に住宅地近くの銀杏公園に少女の遺体を遺棄するのだった。

程なくして事件は発覚、練馬署に捜査本部が設置され、捜査一課の若手刑事の松宮脩平とその従兄で練馬署の刑事・加賀恭一郎は事件現場付近の住宅街で聞き込みを行うことに。事件を追う加賀と松宮もまた、加賀の父親で松宮の伯父である加賀隆正が末期ガンに侵され、今も入院している事情を抱えていた。だが母親の失踪を境に隆正との確執を抱えていた加賀は、ただの一度も隆正の元に見舞いに訪れようとはしなかった。敬慕する隆正の身を案じる松宮はそんな加賀の心情を理解できず、反発心と共に複雑な感情を抱いていた。

そんな2人は数多くの聞き込みを行う中で、あるきっかけから前原家に疑念を抱き、彼らがついた嘘に肉薄していく。対して犯行を突き止められるのも時間の問題と悟った昭夫は、最終手段として愚かで非道な手を打とうとしていた。

いつ犯行がバレるかバレないかの駆け引きがすごく現実的で常に手に汗を握っているような展開でした。

今回の記事では下記3点について感想をピックアップさせていただきました。

  • 親子の関係は切っても切れない仲
  • 嘘はいつかきっとバレるようにできている
  • 人の心理表現がすごい

それでは上から順に解説をしていきます。

※ここから先はネタバレ注意です。

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親子の関係は切っても切れない仲

ラストシーンでは息子を庇い母親を売りに出すシーンがありますが、昔の自分と母親の写真を見てしまった瞬間すべて自首するシーンが1番記憶に残っています。

何年経っても何歳になっても親からすれば子供は子供であり、子供からすればずっと親だということです。

結局母親を裏切ることができなかった昭夫のことを思うと、自分ならどうしていたのだろうかと考えさせられました。

愛する息子のことも思うときっと一生答えは出ないのだろうけれど、自分もきっと昭夫のように息子を刑務所に連れ出していたのではないだろうかと思いました。

嘘はいつかきっとバレるようにできている

家に向かう加賀たちですが、昭夫は死体を遺棄したのは自分だと白状します。しかしそれと同時にお母さんが少女を殺したと嘘を供述します。

認知症である政恵を身代わりにすれば、そのことを認識できない政恵からバレる心配がないためというのもありますが、見事にこの嘘もラストではバレてしまいます。

幼女殺人の罪を認知症の政恵になすりつけようと提案するクズっぷりを披露する八重子には終始イライラしましたが、やってしまったものはもう仕方がありません。

  • 口紅の伏線
  • 手袋の伏線
  • 認知症すら嘘という伏線

警察はプロです。どれだけ事前に予行演習をしていたとしても、どんどん突かれることによってボロというのは間違い無く出てしまいます。

相手を傷つけない嘘だったり冗談なら良いですが、これから先もずっと嘘はつかずにしようとこの小説を読んで思いました。

人の心理表現がすごい

認知症を患った振りをしている政恵が何とかして昭夫らに人として正しい対応をしてもらいたいと目で必至に加賀に訴えかけているシーンやすべてを見通した加賀が昭夫の心に訴えているシーンを思い出すとなんだか胸がジーンとしますね。

途中まで昭夫も八重子に洗脳されていましたが、心が完全に腐り切っていなくてよかったです。

八重子のことを思い出すと今でも不快感があり、なぜこんな女性と結婚をしてしまったのだろうと思います。

環境の大事さがわかる

最後には息子の直巳が「親が悪いんだ」と告げるシーンがありますが、それも間違っていません。

もちろん少女を殺した息子本人が100%悪いのですが、こういったギスギスした環境を作ってしまった親も悪いのは間違いないでしょう。

私の家庭では幸い、このようなギスギスしたムードのある家庭ではないですが子供は親を見て育つとも言われますし、いかに環境が大事であるかすごく勉強になった気がしました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

過去に様々な小説を読んできましたが、やはり東野圭吾さんの小説は頭2つくらいずば抜けていると思いました。

単純に「読みやすい、イメージしやすい、ドキドキさせる」の3点が揃っており、見事に彼のファンになってしまいました(笑)

昨年の今頃は全くといっていいほど小説を読まなかった私ですが、小説を読むことによって文章力の向上や日本語力の向上、文章の気持ちの良いテンポなども学べていいことづくしですね。

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