こんにちは。Nagiです。
当サイトは現在2000記事以上投稿しており、過去に様々な映画やドラマのレビュー記事をご紹介させていただきました。
2025年は本当に豊作に恵まれ、毎日のように映画館に通い詰めていて本当に最高でした。結果的に今年は140本鑑賞。
今年は特に「自分の人生とリンクする」作品に多く出会え、自分にとって極めて重要な1年となりました。
読者の皆様に向けて、改めて「批評」という形で再構成し、おすすめ映画10選をお届けします。
1. 風のマジム

原田マハ氏の原作が放つ独特の熱量を、伊藤沙莉氏が見事に体現した本作。
「本日は、お日柄もよく」や「さいはての彼女」が好きな人は間違いなくハマると思いました。
社会人になると「慣れ」が悪い方向にいくことってない?
これらを完全に喝をいれてくれる作品でした。
マジムを見ていると「実際に会い、その人の顔を見て、何に情熱を注いでいるかを知る」大事さを実感します。
デジタルな現代だからこそ、職人気質なマジムの姿は、失いかけていた「モノづくりへの純粋な愛情」を思い出させてくれました。
これは仕事へのモチベーションを爆発させる、全クリエイター必見のサクセスストーリーなので、「最近だらけてるな〜」という人にこそおすすめ。
2. フロントライン

舞台はダイヤモンド・プリンセス号での集団感染。
当時、報道を鵜呑みにして「なぜ対応が遅いのか」と憤っていた自分を恥じました。
何を隠そう、コロナよりも人が怖い。ガチで人災まである
現場で戦っていたのは、特別なヒーローではない。感染の恐怖より、家族が差別されることを恐れる「ごく普通の人間たち」です。
実家に帰省しようとして「近所の噂になるから」と親に拒まれた、あの時の喉の奥が熱くなるような切なさを思い出しました。そう、田舎こそイジメがあるわけです。
本作は過去の出来事を描くだけでなく、次にパンデミックが起きた際、自分たちが「加害者」にならないための教訓を突きつけてきます。
3. 喪う

藤本タツキ氏と米津玄師氏の対談でも注目された本作は、自分にとって他人事とは思えない破壊力を持っていました。
親を「喪う」ということは、単なる悲しみだけではないことに気付かされます。
- 空き家の管理
- お金とか相続手続き
- 葬式の手続き
などなど、そうした逃げ場のない現実が押し寄せる中で、私たちはようやく「もっと家族を愛せばよかった」と気づきます。
これを見て以来、自分は面倒だと思っていた月1回の実家帰省を、自分への義務として課すことに決めています。
4. ナイトフラワー

貧困、育児、そしてドラッグの売買。追い詰められた母親が踏み込む闇の世界は、あまりに生々しく胸を締め付けます。
本作の白眉は、随所に散りばめられたメタファーです。
- 聖書
- ルーベンスの絵画
- 娘が弾くヴァイオリン曲『ラ・フォリア』
これらはすべて「狂気から救済へ」の変奏を示唆しています。
ラストシーン、真昼に咲く花は、果たして奇跡なのか、それともMDMAが夏希に見せた最後の「幻想」なのか。
自分は後者のバッドエンド説を支持しますが、その曖昧さこそが本作の魅力です。超おすすめ。
5. 入国審査

海外一人旅を今年しまくった自分にとって、これほど不快で、かつスリリングな映画はありませんでした。人ってここまで不快にできるんだ、と思えてしまうほど衝撃的な作品。
アメリカ入国という極限のストレス下で、愛し合っているはずのパートナーの隠された過去が、審査官の執拗な追及によって暴かれていく77分がまじで一瞬すぎました。
短尺なのに映画館を出た後の疲労感と満足感は凄まじいものがありました。
いくらなんでも尋問はやりすぎですが、人生において「やましいこと」を抱えて生きることの危うさを、これでもかと見せつけられます。嘘は絶対NG。
6. 愚か者の身分

ガチでこれは退場しかけるくらいグロテスクでした。ある種の「呪い」に近い映画。
社会人になって今年で10年なのですが、一歩間違えれば自分もそちら側へ転落していたかもしれません。なぜならそういう街で暮らしているからです。
そんな恐怖が、鑑賞後もしばらく離れませんでした。本当に自分を褒め称えたい。
- 普通の生活をする
- 普通に働く
- 普通に帰宅する
その「普通」がいかに高度なバランスの上に成り立っているかを痛感し、今の生活を大切にしようと心から思える一作でした。
今年で1番衝撃だった作品No1。
7. 国宝

3時間という長尺が、一瞬に感じられるほどの圧倒的熱量。
誰もが口を揃えていいますが、吉沢亮氏と横浜流星氏の演技は、もはや「俳優」の域を超え、本物の歌舞伎役者の魂を宿していました。
華やかなスポットライトの裏で、泥水をすすり、自己を削り取って芸を磨くその姿。彼らの血の滲むような努力を想像するだけで、鼻の奥がツーンとしました。
鑑賞後は「これほどの至高の体験を2000円で享受していいのか」という、形容しがたい充足感に支配されました。何度も見たい。
8. 爆弾

舞台は取調室という密室での会話劇だけ。ほとんどこのシーンから動かないのに超絶神映画。
佐藤二朗氏が演じるスズキタゴサクの「不快さ」は、もはや芸術的でした。
彼の言葉ひとつで、警察も、そして観客も翻弄されていき、本作の真の恐ろしさは、鑑賞後の日常生活を「浸食」することだと思いました。
- 自販機のボタン
- スマホの着信
- お風呂のスイッチ
など、何気ない動作すべてに「もし爆弾が仕掛けられていたら」という疑念が忍び寄ります。
平和な日常の脆さを暴き出す、最高に嫌な(褒め言葉)心理戦でした。
9. エディントンへようこそ

映画「ミッドサマー」で有名なアリ・アスター監督の最新作。
2020年のあの異様なコロナウイルスを、149分間に濃縮して煮詰めたような地獄絵図。
「ボーはおそれている」や「ジョーカー」とはまた違ったホアキン・フェニックスの怪演はもちろん、陰謀論が飛び交う不穏な空気は、今の社会に生きる私たちにとって「ミッドサマー」以上にリアルな恐怖として迫りました。
めっちゃ面白いというわけではありませんが、日本のコロナって普通に可愛いなと思えてしまう作品。
10. ひゃくえむ。

『チ。』の魚豊氏が描く、100m走の極致。
「努力は報われる」という安易な言葉を、本作は真っ向から否定します。
「努力は裏切る、流した汗は嘘をつく」
それでもなお、たった一瞬の高揚のためにすべてを賭ける。 フルマラソンを経験した自分にとって、主人公トガシのメンタルは共感の連続でした。
勝っても守りに入らず、攻め続けることの過酷さ。現状維持に甘んじようとする自分を、100mの弾丸のような勢いで撃ち抜いてくれる傑作です。
今後オリンピックにおいてもそうですが、なんだか見え方が変わってきて本気で全員頑張ってほしいと思えるようになりました。
まとめ
2025年、映画という窓を通じて、自分の人生を何度も見つめ直す傑作と出会えたように思います。
これらの作品が教えてくれたのは、何気ない毎日がどれほど奇跡的なものであるかというものでした。
こうやって映画を見られるだけで幸せであることを実感します。来年ものんびりと映画を見られますように。
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