こんにちは。Nagiです。
当サイト(Nagi Rhythm)は現在1500記事以上投稿しており、過去に様々な映画やドラマのレビュー記事をご紹介させていただきました。
今年も映画をすでに120本ほど鑑賞しており、今年もこのペースでいけば昨年に続き150本着地になりそうです。
さて、本日は「チ。―地球の運動について―」の作者でもある魚豊さんの作品である「ひゃくえむ。」の映画を観てきたのでご紹介します。
まず結論からお伝えすると「クソ面白かった」です。
特に自分の場合、学生時代にスポーツをしていた+この前短距離そうではないけど、フルマラソンを走ったということで自分と重なる部分も大きくめちゃくちゃ共感ができました。
- 元々陸上部にいた人
- もしくは学生時代にスポーツをしていた人
- なにかしら大会に出たことがある人
- 努力をしてもなかなか結果がついてこず辛い思いをしたことがある人
これらに当てはまる人はとにかく共感ができる内容だと思います。
早速あらすじからご紹介していきます。
「ひゃくえむ。」のあらすじ
シンプルに一言でお伝えすると、「ただ速く走ることだけにすべてを賭けた人間たちの物語」です。
主人公トガシは、小学生の頃から突出した才能を持ちながらも、周囲との関係や自分自身の「どんどん劣化していく」葛藤に苦しみ続けます。
それでも「走りたい」という純粋な衝動に突き動かされ、100mという短い距離に人生を懸けていきます。
本作では「努力は必ず報われる」といった単純な希望ではなく、「努力は何度でも裏切る」 という残酷な現実も突きつけられます。それでもなお走り続ける姿が、観る人の心を強く揺さぶります。
小学生から社会人に至るまでのトガシの人生を追いながら、仲間やライバルとの出会いと別れを通じて、走る意味を問いかけていきます。
心をえぐる『ひゃくえむ。』の名言たち
「チ。」の作者であることは知っていましたが、名言まみれの名作だと思いました。
日常生活で、つらいときにふと思い出す言葉があったり、安定思考である自分に刺さるセリフ多々でしたのでご紹介します。
「100mだけ誰よりも速ければ全部解決する」
仕事でもデイトレードでもそうですが、「結果が全てである」ということを改めて思い出させてくれます。
過程も大事ですが、結果を出した奴が1番偉い。「結果を出してから言え」と言われたことがある人はたくさんいるはず。
「10秒」
「10秒」とだけ聞くと「ん?」と思われるかもしれませんが、高校時代、引きこもりになっていた仁神をトガシが訪問したときのやりとりです。
- トガシ「貢献なんてしなくていいんで少し付き合ってくださいよ」
- 仁神「少しって何分…」
- トガシ「10秒」
100mはたった10秒ほどで終わる世界です。そのたった一瞬のために、どれだけ己を費やせるか考えさせられるセリフでした。
「努力は平気で裏切る。流した汗はウソを吐く。」
スポ根的な「努力は報われる」を真っ向から否定する、衝撃の名言。でもこれは仕事においても本当にそう。
いくら必死こいてブログ記事を書こうがYouTubeを新しく更新しようが、結果は実らないし、むしろどんどんPVは下がっていくなんてことも多々あります。
しかし何もしないやつに決して結果は出ない。という事実。とりあえずやるしかない。
「浅く考えろ、世の中舐めろ、保身に走るな、勝っても攻めろ。」
つい保守的になってしまう自分に喝をいれてくれる名言。
勝った瞬間に守りへ入ると劣化が始まる。仕事で成功している経営者も、イーロンマスクを筆頭にもう1発どかんとお金をいれるし常に挑戦していますよね。
失敗のリスクを受け入れて、勝ちに行く意思決定を選ぶことが大事であると実感します。安定思考なんていらない。
「100mは一瞬に人生を凝縮させる。だが、だからこそ得られる高揚がある。」
実況アナウンスのセリフでもありましたが、「ーー100m。それは…、日常では意識することもなく過ぎるあまりにも短い距離です。その背景にはどれ程の時間と敗者が積み重なっているのか…、我々にそれを知る術はありません。だが今夜、その日々の結実を目撃することができます!」というのが印象的。
オリンピック選手も「たった100m」のためだけに世界中からその会場に集まるわけです。
その「たった100m」のために莫大なる金額と時間を投資しているわけで、絶対に失敗もできないです。だからこそ、面白さがあるのですが通常のメンタルではいつものパフォーマンスが出せるわけがありません。
そういう意味でも、筆者自身はめちゃくちゃ緊張しいで、フルマラソン前日も眠れない+富士山前日も一睡もできなかったので手を差し伸べてくれるような名言でした。
『ひゃくえむ。』に描かれる“選手としてのメンタル”
主人公トガシは幼少期から天性の速さを持ちながら、勝つことが当たり前になったことで「もし負けたらどうなるのか」という不安に押しつぶされていきます。
選手としてのメンタルは、「勝つこと」ではなく「負けをどう受け入れるか」によって試されることを示しています。
日々の練習が必ずしも結果につながらない世界で、裏切られても再び立ち上がる心の強さが、選手を分けていきます。
自分の場合は、学生時代は「1度でも鼻をへし折られるとなかなか立ち直れたいタイプ」だったので、勝負の世界の残酷さを実感します。
自己肯定とプライド
万年2位の海棠は「俺は俺を認める」と宣言します。
勝てなくても、記録が残せなくても、自分を認め続ける心の在り方は、スポーツを超えて多くの人に通じるメンタルの姿勢です。
アスリートが長く競技を続けるために必要なのは、才能よりも自己肯定感なのだと感じさせます。
世の中、自分を超えてくる化け物はたくさんいます。
自分を好きでいられるためにも、私たちも日常生活でコツコツとジムに行くとか、毎日英語を勉強するとか何かしら挑戦しなければいけません。
そういった意味でもめちゃくちゃ気合いの入る「自己啓発としても良い」作品だと思いました。
まとめ
2時間ずっと緊張しっぱなしで、運動もしていないのに気がついたら手汗まみれになっていること間違いなし。
大会などで「全力で走ったことがある人」「本気で何かに勝負をしたことがある人」にしか分からない辛さや痛み、押しつぶされそうになるメンタルが事細かく描写されていてさすがだった。
名言まみれで、自分はプロアスリートでもないのに襲われるプレッシャーはみんな感じていることばかりなので、本作を通じて救われる瞬間がありました。