こんにちは。Nagiです。
当サイト(Nagi Rhythm)は現在2000記事以上投稿しており、過去に様々な映画レビューをご紹介しました。
今年映画138本目。150本まで残すところあと12本になりました。
本日はタイトル通り、アリ・アスター監督の最新作「エディントンへようこそ」を公開初日に観てきましたので感想をご紹介します。
まず感想の結論からお伝えすると、過去作「ミッドサマー」とはまた違ったベクトルで「人間の底意地の悪さ」が煮詰まっていて、観終わった後は脳がどろどろに溶ける感覚でした。
中盤の冗長さを吹き飛ばすほどの凄まじい混沌っぷりで、ミッドサマーのようなグロい部分は特にないのですが気がつけば嫌な汗がびっしょり。 どれだけ寝不足だろうが、後半のブチギレ展開には釘付け間違いなしの149分だと思いました。
今回の記事では以下の3点についてピックアップしました。
エディントンへようこそ のあらすじ
ホアキン・フェニックスの「怪演」が今回もえぐい
「SNS×陰謀論」の心理戦とラストの絶望感が止まらない
それでは上から順に解説します。
エディントンへようこそ のあらすじ
舞台は2020年5月、コロナ禍の熱気にうなされるニューメキシコ州の架空の田舎町「エディントン」。(あくまで架空です。一瞬騙されたのは自分だけじゃないはず。)
物語の始まりは、喘息持ちの保安官ジョー(ホアキン・フェニックス)が、マスク着用を巡って市長テッド(ペドロ・パスカル)と対立するところから始まります。
ジョーは「個人の自由」を掲げて市長選に立候補しますが、そこから事態は一気に加速。
SNSによる切り取り動画の拡散
フェイクニュースによる憎悪の煽り
BLM運動やカルト教団の介入
小さな町の小競り合いだったはずが、全米を巻き込むほどの暴力の嵐へと発展していきます。 まさに「現代の西部劇」。法と秩序が崩壊し、誰もが自分の信じたい「真実」だけを武器に戦う地獄絵図が描かれます。
ホアキン・フェニックスの「怪演」が今回もえぐい

まず、エンドロールを見るまで主演がホアキン・フェニックスだと気づかなかった人も多いはず。そう、「ジョーカー」の主演をされていたホアキンです。
喘息でゼーゼー言う苦しそうな呼吸
信念と被害妄想が混ざり合った不気味な目
正義の味方を気取った独善的な立ち振る舞い
多くの人がレビューしている通り、彼が自分の「正義」を信じて疑わず、取り返しのつかない一線を越えていく様は、まさに「ジョーカー」とはまた違う種類の狂気でした。何度人生を転生してもあんな演技ができる気がしません。
「正義の執行人」を演じているはずの彼が、実はただの「バグったデータ」のように見えてくる演出には鳥肌が立ちました。
まさに「目を逸らせない醜悪さ」がここにあり、狂人という言葉が世界で一番似合う俳優だと再認識しました。
「ボーはおそれている」も大抵キチガイ映画でしたが、あの時とはまた違う新しいホアキンの到達点ですね。
「SNS×陰謀論」の心理戦とラストの絶望感が止まらない

「エディントンへようこそ」の恐ろしさは、物理的な暴力以上に「情報の感染」にあります。
スマホの画面越しに流れてくるアルゴリズムが、住民たちの脳をダイレクトに汚染していく。 最初はマスクをする・しないで揉めていただけなのに、気がつけば町が戦場になっている。
日本だと平和なため暴動はありませんでしたが、SNSでは毎日のようにレスバまみれでしたよね。
1つ発言したら炎上し、ひたすらこれのループだった2020-2021年。この「あり得そうで怖い」リアリティが日本でも同じだったのでとても親近感が湧きました。
日常生活にリンクしてしまう「情報の毒」
たとえば、YouTubeやSNSを見過ぎて何を信じればいいか分からなくなったときはありませんか?
- コロナは風邪説
- ロックダウンしろ
- 世界はこんな感じで成功しているのに日本は遅い
- 海外だとマスク外出は罰金
などなどこの映画を観ると、2020年のあの異常な空気を思い出してゾッとします。
日本だと窪塚洋介さんがインスタライブで「コロナは風邪!」と言っていましたが、あのなんとも言えない「ザワつき」を100倍濃縮したような世界観です。
- もし、自分の住んでいる町でこんな分断が起きたら?
- もし、自分の家族がカルトや陰謀論にハマってしまったら?
といったような「ミッドサマー」のような遠い国の話ではなく、実際に私たちが経験したようなことばかりでとてもリアルなのがこの作品の良いところだと思いました。
何気ない毎日こそ幸せである

ラストシーンである荒野に鎮座する巨大なデータセンター。
人間たちが正義や差別で殺し合っている間も、テック企業はそれを淡々と「データ」として処理している。 あの救いようのない結末を観た後、映画館を出ても頭の中でジョーの喘息の音が響いていました。
やっぱり映画館から出た時、自分のスマホに通知が来るのが少し怖くなったし、本当に何気ない日常が幸せであることを確信。
いつも通りの朝起きる
誰とも揉めずに仕事をする
平和に夜ご飯を食べる
安心して寝る
それだけで、どれほど幸せなことか身に沁みます。
世の中には本当に「自分だけの真実」に狂っている人間もいます。 劇中で、信念もなくただ「映えるから」と運動に参加していた少年が成功を収める皮肉。
それを観て、改めて日本に日本人として生まれて自分の身の回りが平和であることに感謝したくなりました。
まとめ

いかがでしたか? 本日はタイトル通り、映画「エディントンへようこそ」の公開初日にレイトショーにて観てきましたので感想をご紹介しました。
改めて感想の結論からお伝えすると、「2020年の熱病を煮詰めた地獄の西部劇」であり、終わった後の脳破壊が凄まじい作品でした。
無駄なシーンが1秒たりとも…と言いたいところですが、あの「ダレ場」すらも監督の罠。気がつけば画面に釘付け間違いなしの149分だと思いました。
単なる小道具としての名前ではなく、クリプト界隈の人なら思わずニヤリとしてしまう(あるいは、あのデータセンターの描写を見てゾッとする)仕掛けが満載です。
投資家目線でこの映画を観ると、また違った種類の「恐怖」と「面白さ」が見えてくると思いました。
今回の記事では以下の3点についてピックアップしました。
エディントンへようこそ のあらすじ
ホアキン・フェニックスの「怪演」が今回もえぐい
「SNS×陰謀論」の心理戦とラストの絶望感が止まらない
当サイト(Nagi Rhythm)は現在2000記事以上投稿しており、過去に様々な映画レビューをご紹介しておりますので、あわせてご覧ください!






