こんにちは。Nagiです。
当サイト(Nagi Rhythm)は現在毎日1000日以上更新をしており、過去に様々な映画やドラマのレビュー記事をご紹介させていただきました。
昨夜「his」を見てきたのレビューさせて頂きます。
多少ネタバレ/解説があるのでそれが嫌な方は回れ右でお願いしますm_m
「アデル、ブルーは熱い色」のようなレズ映画は今まで死ぬほど見てきたのですが、ゲイ映画を見たのは初めてでした。
結論:人に対してすごく考えさせられる映画
一人も悪人が出てこない綺麗なゲイの物語です。
割と重いテーマではあるのかもしれないけれど、作品を観ながらずっと「自分だったらどうするのか」を自問自答して見ていました。
切ないけど心が暖まり、景色も音楽も、すべてが優しい映画。
人と人との関係性をフラットに描いた、ロマンティックであたたかく美しい作品でした。
LGBTQについて取り上げられている題材
冒頭にも書かせてもらいましたがLGBTQについて描かれている映画です。
LGBTQ・・・正直言って自分は一切偏見を持っていませんがどうしても世間は冷たい部分はあると思います。
みんな違ってみんないい
「人それぞれ」なんていう残酷な言葉で片づけるのは抵抗がありますが、まさにその通りだと思っています。
自分がLGBTQでないし、たとえ知人がそうだとしても境遇なんて「人それぞれ」なので偏見を感じてしまう人のほうがむしろ問題であると思ってしまいます。
単なるLGBTQの映画ではなかった
同性カップルのお話ではあるけれど、それだけではなくて子を持つ親の苦悩や向き合い方、周りとの人付き合い等、登場人物の抱えているものは決して遠いものではなく、とても「身近なもの」でした。
同性愛者の親や、シングルマザーなど「特殊」な環境として取り上げられるべくなのかもすごく考えさせられました。
好きになるって理屈じゃないし、人の気持ちは他人には動かせません。となるともうあとは個人の自由にしかならないですよね。
ん?と思った疑問点
そもそもの別れる原因がさらっと描かれすぎていて渚がめちゃくちゃ適当な人間に見えてしまいました。
更にいえば急に我が子を連れてきて「やっぱり好き」とか抜かす神経を疑ってしまいました。いくらなんでも都合が良すぎる!
好きな人に振り回される人生
しかし、それすらも受け入れることができるくらい迅は好きだったのでしょうか・・・。
渚が酔っ払って帰ってきて酔った勢いなのか、迅にキスをしたけど咄嗟に振り払っていました。
実際あのときの心情はどうだったのか気になります。びっくりして咄嗟に振り払ったのか、それとも嬉しさあまりの冷たい態度だったのか。
一瞬うるっときた部分
ずっと世間の目を気にしていた迅が、おじいさんの葬式終わりにみんなの前で「自分はゲイです」と迅が勇気を振り絞ってカミングアウトするシーンですね。
嫌われる勇気
あんなに人がいる中、相当勇気が必要だったと思いますが、あれこそ「嫌われる勇気」だったのかなと思います。
泣きはしなかったけど、すごく勇気がもらえるワンシーンでしたね。
自分が思っているより、この世界は優しいのかも知れない
カミングアウトした際の住民の反応が温かすぎてほっこりさせられました。
生きづらい世の中だけど、そんな中でもわかってくれる人はいます。
これからの世界が、男とか女とか関係なく、誰もが愛する人を愛せるものになるように願います。
LGBTQに関する偏見は偽りのない事実
LGBTQが就職の内定取り消し、イベントへ入場禁止色々あるかと思います。
こういった偏見が「常識」に変わったら、世の中の見方もガラッと変わるような気がしました。
大人の事情で子供を苦しめる
大人の事情で子供を傷つけるのは本当に良くないと思いました。
ただ消費されるための同性愛じゃなくて、皆が知らない課題や困難が見えてくるので非常に勉強になりました。
どんな形であっても人として「愛し合う」のっていいなと思わせてくれました。
子供は純粋だから、なにを仕出かすか分からない怖さがあるけど、純粋だからこそ「自分の目で見たものを信じる」。
そしてそれを自分で噛み砕いて判断して、正しいor正しくないを決めていく。そこの成長が素晴らしかったです。
親が子供を育てるのではなく、「子供が親を育ててくれる」
相手が同性愛者であれ、障がい者であれ、どんな人であっても「愛せる人」でありたいとこの映画を観て強く思いました。
そらちゃんの「迅くんはパパのことが好き、パパは迅くんのことが好き、そのなにがだめなの?」って言葉がこの映画の全てだと思いました。
こんな家族の形もありなのかもしれないと思います。
一番刺さったセリフ
おじいさんが言っていた「人から影響を受けるのが人生の醍醐味」というセリフが一番自分に刺さりました。まさにその通りですよね。
いい影響を受けることも、もちろん悪い影響を受けることもたくさんあると思いますが、やはり世の中一人では生きていけない。
人から受ける影響を大切にしていきたいものですね。
働きすぎの今泉監督
そして今作が今泉監督感があるかと聞かれたらまた違った気もする。
今をときめく今泉監督が、こんなに短いスパンでどんどん新作出せるのすごいなと思います。「仕事しすぎやろ」とツッコミたくなりますが、おそらく撮影することが本当に好きなのだろうと思います。
最近では「街の上で」に関するレビューを書かせていただきました。
最後に
大事な人のことを愛してるって堂々と言えるような、そんな人間になりたいと観終わった後に思いました。
チョコレートドーナツが見たくなる映画とのことでしたので、次回見てみようかなと思います。
今泉監督、素敵で美しい映画をありがとうございました!