こんにちは。Nagiです。
当サイト(Nagi Rhythm)は現在1500記事以上投稿しており、過去に様々な読書レビューをご紹介しました。
本日はタイトル通り、僕の崇拝する橘玲さん新著「HACK」を読み終えたので感想をご紹介します。
この本はちょうど僕が好きな「タイ×マリファナ×クリプト」という3つを掛け合わせた最高のジャンルだったため、面白くないわけがないと思って手に取りました。
今回の記事では下記の3点についてピックアップしました。
- HACKの気になるあらすじ
- 実際にあった事件も混ぜていくのが面白い
- 多くの方が絶賛
それでは上から順に解説していきます。
HACKの気になるあらすじ
2024年秋。ハッカーの樹生(たつき、30歳)は、暗号資産(いわゆる仮想通貨)で得た利益の課税を避け、タイ・バンコクで気ままに暮らしている。
ある日、バンコクの大麻ショップの屋上で、情報屋の 沈没男(ちんぼつおとこ)という日本人から相談を受ける。彼の依頼は、特殊詐欺で稼いだ違法資金を、ビットコインを用いてマネーロンダリング(資金洗浄)したいというものだった。
頭脳明晰だがどこか退屈していた樹生は、その話に乗ることにする。彼にとってハッキングもマネロンもクリプトも――すべては「ゲーム」だった。
そんな中、5年前のスキャンダルで姿を消した元アイドルの 咲桜(さら)がバンコクにいるという情報を知る。彼女から連絡を受けたことをきっかけに、樹生は国際的な陰謀の渦へと巻き込まれていく。
樹生にとって最初は「取るに足らないゲーム」のはずだった。しかし次第に、彼を取り巻くのは、日本の検察・公安、北朝鮮のハッカー集団 “Lazarus Group(ラザルス)”、そしてなぜか彼に接触し続ける伝説のハッカー “HAL(ハル)”――。
物語は、ハッキング技術を駆使したマネーロンダリングの手法、二重三重に仕組まれた罠と裏切り、そして「10億円が500億円、そして2500億円へと膨れ上がる北朝鮮の暗号資産マネー」へと話が展開していく。
ご覧の通り、暗号資産(クリプト)に投資をしている人からすると、もはや買わない理由はないくらい没入できる作品です。
自分からすると、
- 実際に僕自身も使用しているCBDなど興味のある大麻分野
- ほぼ全財産クリプト
- WEB系エンジニア
- 内向的な性格
という主人公の樹生と重なる部分があって共感でしかなかったです。
この本を読むときに必要なもの
- ある程度クリプト(特にブロックチェーン)に対する知識
- マリファナに関する知識
があるとより一層楽しめると思いました。
どのレビュアーもご紹介していませんが、本作の内容にはタイのシューゲイザーバンド「Slowwves」といバンドが紹介されており、どっぷりとこの世界観にハマってしまいました。
チルすぎるシューゲイザーバンド
Slowwvesの楽曲を聴きつつCBDでも吸いながら読むと、ますますタイのアンダーグラウンドな世界観に没入できると思います。
滅多に音楽にハマることはないのですが、もう今となっては病みつきですね。この記事を書きながらも聴いています。
ちなみに橘玲さん公式サイトではHACKの舞台となるバンコクの景色がアップされています。ぜひフォトツアーをお楽しみください。
この本の良い点

ストーリー内でもWLD(ワールドコイン)がディスられてるのはちょっと草
①圧倒的な面白さと没入感
多くの読者が共通して挙げているのは、「ページをめくる手が止まらない」という没入感の強さです。
娯楽としての勢いがありながら、「暗号資産・ハッキング・国際犯罪・パパ活」といった現代のテーマが土台にあるため、現実味と緊張感が並走するように思いました。
その結果、小説の面白さ × 最新情勢のリアルさが強烈に作用し、長時間読み続けてしまうのではないかと思いました。
②実際にあった事件も混ぜていくのが面白い
率直にかなり「映画と相性の良い内容」だと思いました。ガチで映画化希望です。
本作で描かれるのは、日本でも深刻化している特殊詐欺です。
「闇バイト」という言葉では足りないほど過激化した手口で、強盗や詐欺によって生まれた「巨額の汚れた金を、ビットコインで洗浄してほしい」という依頼が物語の中心にあります。
この設定が面白くならないはずがありません。
『HACK』面白い☆ 橘玲さんの書き物は前から読んでいたが、小説がここまで面白いとは! pic.twitter.com/AEyiV8waUj
— 濱田 眞樹人 (@makitohamada) November 17, 2025
なんならやってることは今公開で話題となっている「愚か者の身分」よりも遥かにダークな内容となっているわけです。金額のケタも全然違います。
- 最初は10億円のマネロン
- それが次は500億
- その次は2500億
と次第に雪だるま式に膨張していき、登場人物が増えるたびに、隠れていた陰謀が一気に加速していくストーリーがたまらなく面白くてページをめくる手が止まりませんでした。
実際に取引所名は伏せながら自分もダメージを受けた内容を描かれている
- 日本のハッキング事件→DMMのビットコインハッキング事件
- シンガポールのハッキング事件→bybitのイーサリアムハッキング事件
を織り交ぜていて、このあたりは完全にノンフィクションの内容でした。
なんなら実際に自分もそのハッキングのせいで、価格が落ちて被害を受けたということもあります。
だからこそ余計に自分ごとのように感じてしまい、「ページをめくる手が止まらない」くらい熱中できてしまったんですよね。
③キャラクターの魅力と対比の巧みさ
キャラクターの立て方のうまさに脱帽です。
樹生の退屈した現代日本の若者
ソニョンの生きることすら過酷な北朝鮮兵士
アリサの豊かさの中の虚無
こうした対比が物語に深みを与え、「ただのサスペンスでは終わらない作品」として受け取れました。
そもそもビットコインはなぜマネーロンダリングに?

物語の主人公・樹生が手にするビットコインは、しばしば 「デジタルゴールド」 と呼ばれます。
価値が落ちず、誰にも管理されず、国境を自由に越えられるというのは裏返すと 「犯罪者にとって最適な資金の逃し先」 になります。
①本人確認不要でウォレットが作れる
→ 足がつきにくい。
②ブロックチェーンは実名ではなく“アドレス”が動くだけ
→ 追跡しても「誰の資金か」特定しにくい。
③国境の規制を受けず送金し放題
→ 国家が止められない。
こうした特性が、正の側面(価値保存)と負の側面(犯罪利用)を同時に成立させています。
そして、「誰にも管理されない自由すぎる通貨」だからこそ、価値保全の資産としても、マネーロンダリングの手段としても使われることが多いです。
物語『HACK』では、この二面性がストーリーを加速させる
樹生がビットコインを扱う行為は、
正しく使えば「価値を守るツール」
誤って踏み込めば「裏社会や国家を巻き込む危険な媒介」
という二つの意味を持ちます。
そのため、「ちょっとした興味」で始めたハッキングやマネロンが国家規模の陰謀に繋がっていく、という物語の大きな推進力になっています。
中央管理者が存在しない「非中央集権性」
ビットコインには中央銀行も金融監督機関も存在しません。
サトシナカモトという創設者はいたものの、プロトコルはすでに“誰のものでもない”状態で動いています。
このため、
国家が価値を操作できない
一部の権力者が供給量を増減できない
特定の国の経済政策の影響を受けない
こうした構造が、法定通貨のリスクに対する避難先(ヘッジ)として評価されるもう1つの理由にもなります。
希少性と非中央集権性のこの二つの特性が、ビットコインに絶対的な価値を与えているわけであり、このインフレにおいても実際価格の上昇が止まらないわけです。
多くの方が「HACK」を絶賛しているのもわかる
HACKを読んでから橘玲の小説を読み返してる。
この前はマネーロンダリングで、今は永遠の旅行者。#querie_zelda_0001https://t.co/r9GC1eD02m— zelda (@zelda_0001) November 12, 2025
TLで評判良かったので日本に立ち寄った時に買った本、読み出したら面白くて機内で読破しちゃいました、橘氏@ak_tch の他の作品も読みたくなったので次回の日本便で購入します。 pic.twitter.com/AryohnWtXb
— トニー師匠 (@Flightlogbook) November 12, 2025
橘玲の最新作。
舞台がバンコクだけでも面白いのに暗号資産をメインに最新のテック界隈の流れが知れて今年1番の小説。 pic.twitter.com/iPtzULtJUy— ラムテテ (@tigerspace1) November 12, 2025
橘玲「HACK」読了。
疾走感のある展開で今朝から一気読み。
面白かった。ハードボイルドな物語となぜだか淡々としている主人公に感情移入。
暗号資産のハッキングと、犯罪組織の手口、ここ10年くらいの事件のこと含め、リスクヘッジの勉強にもなります。オススメ。#HACK #橘玲 pic.twitter.com/XVUCQUxmwp
— かとたく(Taku Kato) (@taku_kato) November 8, 2025
橘玲さんの新作「HACK」
面白すぎて一気に読んだ!#橘玲 https://t.co/flGvWXNjec pic.twitter.com/UL7GUxU09L— indigoblue/Satoshi (@indigoblue1973) November 8, 2025
2回読んだ方が面白いかも
まずはじめにこの作品を手にするとき、2日や3日に分けて読むのをおすすめできないです。
理由としては、
- 初心者からすると難しい用語あり
- NFTの話なども織り交ぜてくるので、クリプトに興味関心がないと振り落とされる可能性あり
- ブロックチェーンについて詳しく解説はあるけど、前提知識があったほうが良い
- ページ数も相当あり、かなり本自体も分厚い
そのため、丸1日完全にオフの日を作ってめちゃくちゃ集中して読まないと振り落とされる可能性もあります。
読者の中には「難しい用語を調べながらストーリーを読み進めていった」という猛者もいるほどです。
そのため、2回目だけでなく3回目くらいまで読んだほうが、より一層クリプトやタイの情勢、ハッキングなどに関する知見が得られて物語への理解度が深まると思いました。
一人の女性を愛したくなる
まず主人公の樹生はビットコインでのし上がって大金持ちなのに、女性関係に奔放になるわけではありません。
奢りでも何でも、相手を「抱こうとしない」姿勢が一貫しており、心はずっと咲良に向いたまま。
むしろ、ずっと咲良だけを愛し続けている点もすごく男気があって現代の男子にはなかなか見受けられない描写でした。
物語を読みながら、私はなぜかバンコクでクリプトに全振りし、落ち着いた生活を送る「マナブさん」を思い浮かべてしまいました。
- 全財産クリプトで保有
- 大麻好き
- 奥さんと静かに暮らす
- ゲーム好き
- バンコク暮らし
- 東南アジアをバックパッカー経験あり
- 内向的な性格
こうしたプロフィールが樹生とどこか重なって見えたからです。
もちろん、樹生が誰かをモデルにしていると断言するつもりはありませんが、橘玲さんを敬愛しているマナブさんの存在が、読者として自然と頭をよぎってしまったのは確かです。
あくまで個人的な連想ではあるものの、そんな“重なり”も読んでいて面白い点でした。
まとめ
いかがでしたか?
本日はタイトル通り、僕の崇拝する橘玲さん新著「HACK」を読み終えたので感想をご紹介しました。
改めて感想を一言でお伝えすると、ハラハラドキドキが止まらなく、今年TOP1-2を争うくらい面白かったです。
今回の記事では下記の3点についてピックアップしました。
- HACKの気になるあらすじ
- 実際にあった事件も混ぜていくのが面白い
- 多くの方が絶賛
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