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【レビュー】さいはての彼女を読んでもう一度人生を振り返ろうと思った話

読書レビュー
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こんにちは。Nagiです。

当サイト(Nagi Rhythm)は1500記事以上執筆しており、下記のように過去に様々な小説のレビュー記事を執筆させていただきました。

本日はタイトル通り原田マハさんが描く「さいはての彼女」を読み終わったので備忘録もかねて記事にさせていただきます。

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突然ですが以下のようなお悩みはありませんか?

  • ついつい仕事もプライベートも見栄を張りがち
  • 見栄を張った挙句、実はお金がない
  • 仕事をしすぎて他のものを全て犠牲にしてきた
  • 世の中全てお金だと思っている。実際ににお金で解決してきた
  • 友情、恋愛よりも仕事だと思っている

これらに当てはまるような方にこそ、読んでいただきたい本です。すごくリラックスができて爽快感溢れる短編小説です。

それでは早速解説をしていきます。

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どんなお話?

主人公は経営者。ブランドもので身を固めていて、もし旅行に行くとなっても絶対に最高級スイートホテルやファーストクラスの飛行機しか認めないほどプライドも高め。

そんなストレスを感じているある日、沖縄に一人旅に行く予定が手配をしていたチケットがなんと女満别空港に手配ミスになっています。

そう、部下に手配を依頼していたのですが、間違って手配をしてしまった(おそらく部下はわざと)のです。

さらに突然経営初期から一緒に仕事をしてきたその部下が「一身上の都合」で辞めると言い出し、これからどうしようとなっている最中、女満別での1人の女性との出会いが彼女を大きく動かす物語です。

公式のあらすじは以下のとおりとなっています。

25歳で起業した敏腕若手女性社長の鈴木涼香。猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの結婚とは縁遠く、絶大な信頼を寄せていた秘書の高見沢さえも会社を去るという。失意のまま出かけた一人旅のチケットは行き先違いで、沖縄で優雅なヴァカンスと決め込んだつもりが、なぜか女満別!? だが、予想外の出逢いが、こわばった涼香の心をほぐしていく。人は何度でも立ち上がれる。再生をテーマにした、珠玉の短篇集。

旅をすることで人は成長をする

今回の彼女の旅行にしてもそうですが、旅行(特に一人旅)は人を成長をさせてくれます。

それは非日常的な出来事からくるのかもしれませんが、通常は仕事でも難なく行えることでも「旅」となると1人で全部立ち向かわなければならない試練があるからです。

今回の主人公鈴香でいえば「レンタカーは高級車しか乗らない」というプライドがあろうと女満別にはボロッボロの傷まみれの車しかレンタルができません。最初はあれだけ嫌々だったのに、ナギと出会ったことで全くそんな嫌味を言うような人間じゃなくなりました。

「高級の宿にしか宿泊しないから1番いい部屋にしてください」と駄駄を捏ねても、どの部屋も6畳程度の部屋しかない。まさに彼女からすると日常の煌びやかな生活とはかけ離れすぎて全てがストレスに感じてしまうことでしょう。

しかしながらこれもナギというランダムな出会いから、どんどん彼女の生き方に引き込まれていき、いつのまにか女満別一人旅を全力で楽しんでいる自分がいます。

どれだけ自分にお金があろうが、お金で買えない体験を旅ですることで自分を初心に帰らせてくれるわけです。

実際に僕自身の一人旅に関して過去に様々な記事でまとめておりますのでぜひご覧ください。

仕事だけが人生ではない

本書のどの短編小説もそうですが、全員が「仕事仕事仕事!!!年収は現在○万円でバッグはシャネル!!!」といったステータスにこだわりますが、旅をきっかけにそれらの価値観・概念を見事にひっくり返してくれます。

もちろん仕事が人生の生き甲斐になっている方はそれはそれでかまいません。しかしながら仕事ばかりをしていると、友達付き合いもどんどん減るし、そもそも仕事だけが人生の全てなのかと問われると自分は決してそうとは思いません。

まるで昔の自分をみているような恥ずかしさが出てくる

僕自身も3年ほど前までは「とにかく仕事、年収は絶対最低1000万、時計は最低100万」みたいなことを言っている時期もありましたが、もはや今となってはそんなこだわりさえもどうでもよくなっています。

先日患ったコロナウイルスをきっかけに、ただただ健康に生活ができて身の回りにいる人たちが変わらず幸せでいてくれるだけで感謝です。

一時はブランドものまみれで固めている時期もありました。しかしながらそれらも全て売りました。今の家も正直なところ見栄でしかありません。正直前の家で十分です。

仕事は生きていく上で必須なものですが、そもそも人生=仕事となっていた自分をもう一度振り返らせてくれる良い小説でした。

もっともっと仕事で成功をしなければいけないとあらゆる自己啓発本が溢れている中、逆張りをしている珍しい本です。

仕事に気合いをいれすぎている人、ブランドもの志向すぎる人にこそおすすめしたい最高の一冊です。

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