こんにちは。Nagiです。
当サイト(Nagi Rhythm)は現在毎日1000日以上更新をしており、過去に様々な映画やドラマのレビュー記事をご紹介させていただきました。
10代後半から20代前半に恋愛を経験したことがある人ならギューっと胸を締め付けられるような感覚に襲われるでしょう。
心の深い傷が治癒するのに何年も必要とし、完全に塞がりかけていた瘡蓋を抉り取られ気づけば涙が溢れていました。
個人的に「愛がなんだ」のリアリティーさと「ブレイキングバッド」のクレイジーな部分を足して2で割ったような強烈な作品だったように感じます。
本作が描くのは、どこにでもある、多くの人が体験した、ありふれたラブストーリー。
それなのに、特別な輝きを放ち、心にグッと迫ってくるのはなぜなのでしょうか。終始二人が眩しくてしょうがなかったです。
鑑賞者の「あの頃」を突いてくる
ふとした瞬間や何気ないきっかけから人との出会いが始まり、そしてこの恋が永遠に続くと思ってしまう20代の甘酸っぱいあのシーンは誰もが通る道なのでしょうか。
付き合いたての頃こそクライマックス
どんなに不味い料理であっても美味しく感じるし、どんなにつまらない映画を見ても楽しく感じてしまう魔法のような時間が流れます。
しかしながら、映画での描写にもあったように交際をしてある程度時間が経過するとマンネリ化をしたり緊張感がなくなってしまい、パートナーへのリスペクトが薄れてしまうも恋愛あるあるなのでしょう。
相手にどんな些細なことでもいいから伝えていかなければ、小さなことが積み重なり次第に山となってどうしようもできなくなってしまう時期がきてしまう。
『徒歩30分の帰り道が何よりも大切にしたい時間になった』
自宅から1つ前の駅で降りて歩くあの30分が過去の恋愛の様々なシーンがリンクしてフラッシュバックしました。絹ちゃんのあの言葉はずるすぎる。
30分なのに二人だとわずか5分程度に感じるほど幸せな時間が流れるのも恋をしたことがある人なら分かってくれるはず。
あの瞬間こそ「一生この時間が続きますように」とふと神様に願ってしまう経験をした自分はあのシーンを見て様々な思い出とリンクしてなんだか恥ずかしくなってしまいました。
しかし今となっては全てがいい思い出であって、あの経験をしたからこそ今の自分がいると思いました。
男女の思考
一回でも一瞬でも「別れ」が脳裏に浮かんだ女性は、どうしてももうその考えを変えることってできない。どれだけ説得をしてもうまくいかない。実際に過去に私は経験してきました。
女性は必死で尽くそうとしてくれるのに、男性はなかなかそれに気付いてくれないし面倒臭そうにすることが多く、実際この映画でもそのシーンが多々ありました。
そして男性側はずっとこの時間が続くのだろうと勝手に思い込んでおり、振られてから初めて「素晴らしい女性だった」のだと気付かされるのは本作品でも顕著に描かれていました。
終わりこそ笑顔だったものの、自分ならあんな綺麗な別れ方がきっとできないだろうと思いました。
確実に数年単位で引きずってしまうのが目に見えており、だからこそ恋愛は素晴らしくも怖い。自分でも分かるけれどきっとトラウマ的なものを抱えているのだろうとこの映画を通して振り返ることができました。
恋愛によって心に傷がある人は様々なことを思い出してしまうため、完治するまで見ない方が良いかもしれません。
まとめ
「愛がなんだ」のようなただただエモいシーンを並べるだけでなく、恋愛の本質部分を貫いた素敵な映画だったように思います。
恋愛映画って苦手なのにここまでスーっと溶け込み、胸を苦しめられた作品は初めてかもしれません。
今の10代の子や20代前半の子の恋愛形式はどんな感じなのかは分からないけれど、きっと幅広い年齢層の方に愛される作品。
恋愛って自分を内面から綺麗にしてくれたり、人生を煌びやかにしてくれる魔法のようなものだと作品が語りかけてくれるところがすごく素敵でしたね。
恋愛の幸も不幸も所構わず演出しているため付き合いたてのカップルは絶対に見にいかない方が良いけれど、付き合って2−3年が経過しマンネリ化したカップルは見終わったあと確実に良い関係になれると思いました。
恋愛や結婚に対して全く興味がないけれど、近年の恋愛映画の中では一線を画している作品でした。