こんにちは。Nagiです。
当サイト(Nagi Rhythm)は現在1500記事以上投稿をしており、過去に様々な映画やドラマのレビュー記事をご紹介させていただきました。
本日は映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』を見た感想についてつらつらと執筆させていただきます。本作のあらすじを一言でお伝えするとドナルド・トランプがまだビジネスマンだった頃、どのようにして“今のトランプ”になったのかを描いた作品です。
舞台は1970〜80年代のニューヨーク
若きトランプが、権力と欲望にのまれていく過程を描く
単なる伝記ではなく、スリラーのような展開が続く
テンポがよく、展開も早いため、2時間があっという間に感じられます。人物ドキュメンタリーというより、“トランプという現象の設計図”をじっくりと見せられるような映画なので今トランプ大統領を知りたいと言う人にはぜひ見て欲しい作品です。
欲望をかたちにした“ブランド人間”
見て1番最初に思った感想が「男の中の男」というところ。この映画で描かれるトランプは、とにかく「欲しいものは全部手に入れる」というスタイルを貫きます。
高級ホテル
モデルのような美女
そして「TRUMP」の名前がついたあらゆるもの
そのすべてが彼の承認欲求と自己ブランディングの延長にあります。彼にとっては、「金がある」「目立つ」「勝つ」が最優先。
プライドも鬼のように高く、人間関係もビジネスも、欲望に忠実に動きます。飽きたら捨てる。その冷たさが時に笑えるほど潔く、逆に痛快にさえ感じられます。
ブランド化された欲望、それが“トランプ”という人間
そして何より印象的なのが、すべてに自分の名前を刻むこと。
- TRUMPタワー
- TRUMPホテル
- 仮想通貨TRUMP
ここまで徹底されると、もはや“自己顕示”というより、“自分を神話にする”行為のようにも見えます。ホスト界の帝王でもあるローランドさんの「ローランドグループ」も大概あれですがトランプさんはもっと自己顕示欲の高さを感じさせられます。
勝利のためなら何でもやる
この映画でひときわ強烈な存在感を放つのが、トランプの“師匠”ロイ・コーン。冷酷で、絶対に謝らず、勝利のためには手段を選ばない弁護士です。一言でいえばトランプのメンター的存在と言えば今風なのかも。
若きトランプはこの男から、3つの鉄則を叩き込まれます。
攻撃こそ最大の防御
絶対に謝るな
負けを認めるな
この教えは、彼の人生のあらゆる場面に生きています。ビジネス、女性関係、政治活動、SNSでの発言などすべてにこの「勝利至上主義」が通底しています。
倫理も道徳も二の次で、「勝った者が正しい」というルールで突き進む姿は、嫌悪感すら通り越して清々しいほどの一貫性があります。
ロイ・コーンは、ただの助言者ではなく、今のトランプの“人格の原型”そのもの。映画はその成り立ちを、静かに、しかし恐ろしいほどリアルに描いています。「ゾス系」の営業会社の役員といってしまえばかなりわかりやすいかも。
ルールを壊しても、“勝つ”魅力
倫理や常識なんて、彼には通用しない。むしろそれを“ぶち壊す力”こそが、トランプの最大の魅力として描かれます。
女を口説くのも「俺には金がある」で押し切る
女も飽きたら捨てる
婚前契約で女性に反撃されると、一瞬だけ折れる。そんな意外なほころびもあるけど最終捨てる
女を口説く時、毎回「俺には金がある」で毎回笑ってしまいますが、ここに描かれるのは、単なる“悪人”ではありません。極端なまでに自己中心的で、それゆえに一貫した存在です。
あまりに振り切っているからこそ、呆れるどころか、なぜか見ていて気持ちいい。その徹底ぶりに、中毒性すらありました。
そして、まさに釣った魚に餌をやらないのがトランプですね。
世の中には2種類の人間がいる
「俺か俺以外か」だと思っていたら、
「世の中には、“殺す者”と“敗れる者”しかいない」
という鬼の名言が。極端に聞こえるが、彼の人生を振り返ると、すべてがこの考え方に沿って動いているのがわかります。
政敵はメディアで潰す
ビジネスパートナーは裏切れば切る
世間の批判には“黙る”のではなく“倍返し”する
この強烈な世界観に触れてしまうと、どこか納得してしまうし、「確かに、こういう視点のほうが現代っぽい」と思わせる説得力があります。
しかし気づくのがこれはトランプ個人の思考ではなく、私たちの社会が彼を支持した理由そのものでもある、ということです。
これは人物映画ではなく“現象映画”
この映画は、トランプの人生をただ紹介するものではありません。彼という「現象」がどう生まれたのか、その背景を冷静に解き明かす作品です。
もちろん、2時間ですべてを描き切ることはできません。けれど、観終わったときには間違いなく「もっと彼のことを知りたくなる」という人がほとんどのはず。
それは尊敬でもなく、好奇心でもなく、「なぜ、ここまで一貫してトランプでいられるのか?」という興味そのものです。
見栄、欲望、勝利、虚栄
ブランドとしての自分
社会と倫理を押しのける行動原理
それらがスクリーンを通して、強烈に迫ってくるのが最高でした。
まとめ
いかがでしたか?
この映画は、トランプという個人の“物語”ではなく、アメリカという国、そして私たち自身が何を許容してきたかを映し出す鏡でもあるように思いました。
トランプを観ることは、ある意味で“時代を観る”こと。それが、この映画の最大の価値です。暴れん坊将軍のトランプさんですが、いくら年齢を重ねてももっともっと彼の動きについて注目ですね。